人に裏切られて初めて味わう人生の屈辱
何もかも嫌になり　すべてを投げ出して
いっそこのまま遠くへ逃げてしまいたかった

再びバイクを駆り　傷心の傷跡を癒すためやって来たのは北の大地
かけがえのない日々を過ごした想い出の場所
原点に立ち返り　人生をリセットするための独り旅

かつて僕を育んでくれた雄大な風景　でも涙で霞んで見えない
こみ上げる哀しみをこらえて　ひたすら走り続けた１９９２年の夏

旅の途中で人恋しさに君への手紙をしたためる
伝えたい言葉はたくさんあるのに　何故かうまく書けない
出せる筈もなく自問自答を繰り返す

戻りたくても戻れない愛しい日々　脳裏に君の影がつきまとう
ただ寂しさを乗り越える勇気がほしかった　
いろんな想いを噛みしめて走り続けた葉月の９日間

ほとばしる波しぶき　日本海は強く生きろと語りかけ
果てしなく続く大空はもっと広い心を持てと説く
こみあげる涙をぬぐいながらひたすら苦悶した美留和の夜

「君は今、誰と何をしてるんだ？」「僕はこんなにも苦しんでいるのに」
君と過ごした２年を振り返り　自分の存在意義を見つめ直した日々

北の大地が僕に忘れかけていた男の生き方を思い出させてくれた
辛くてどうしようもない時でも　逃げるなと僕に訴えかけてきた
旅が終わりを告げる頃　ようやく僕は自分を取り戻した　

君がいたから僕はこれまでやってこれたんだと悟った
君との想い出を胸の奥にしまい込んで　これから先も強く生きていく
一緒に過ごした日々を　希望という名の力に変えて

きっと君のことは忘れない　いつまでも　それが僕の答え
こみ上げる思いを生きる証に変えて走り続けた１９９２年の夏

僕から君に贈る最後の言葉
「ありがとう　そしてさよなら　僕の愛した女性（ひと）・・・」